コーディネーターの声

「偉大なるお節介」

 

伊勢崎市民病院 病院長補佐・外科診療部長 片山和久

 

 

新島襄記念がん哲学外来なごみカフェでは、がんサバイバーや医療者、またがん哲学外来の考え方に共感した市民が、がんに纏わる悩みを抱え、救いを求めている人に対して 、良き隣人としての「偉大なるお節介」で接する こと を目指しています。

 

人の価値観・人生観は十人十色です。各々が様々なことを背負い生きてきた人生、それによって築かれた価値観・人生観を他人が 完全に理解することはほぼ不可能です。

 

たとえ誠心誠意を持って接し、相手をわかったつもりでこちらの気持ちでアドバイスし、安易に励ませば、それが返って誤解を招き、相手を傷つけることにつながりかねません。

 

では、どのように良き隣人として接し 、「偉大なるお節介」をしていくのがよいのでしょうか。

 

そのヒントとしてがん哲学外来メディカル・カフェの手引きの中に「偉大なるお節介症状群」認定証の選考項目 というものがあります。

 

① 「役割意識&使命感」

 

② 「練られた品性&綽々たる余裕」

 

③ 「賢明な寛容さ」

 

④ 「実例と実行」

 

⑤ 世の流行り廃りに一喜一憂せず、あくせくしない態度

 

⑥ 軽やかに、そしてものを楽しむ 。自らの強みを基盤とする

 

⑦ 新しいことにも、自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力する

 

⑧ 行いの美しい人( a person who does handsome)

 

⑨ 「冗談を実現する胆力」〜 sense of humor の勧め〜

 

⑩ 「ニューモアに溢れ、心優しく、俯瞰的な大局観のある人物」

 

これらを全て持ち合わせている方はなかなか見当たらないと思いますが、もしこのような人になれたら良いですよね。

 

「がん哲学外来」とは、生きることの根源的な意味を考えようとする患者と、がんを罹患したことに哲学的な意味を見出そうとする人の対話の場であり、経験交流の場であります。

 

がんに悩まれている方も、その悩みを相談されてる方も、お互いが対話を通して生きることの根源的な意味を考え、己に課せられた役割を自覚できるところまで導ける「偉大なるお節介」ができる人格形成を、新島襄記念がん哲学外来なごみカフェで目指してみませんか 。